研究室教員:奥田敏広

 予備校時代に読んだ『トーニオ・クレーガー』に感銘を受け、学部・大学院時代にはトーマス・マンの文学研究へと進みましたが、マンの硬質な抒情性と博覧強記の議論の根底にパロディーがあることに徐々に気付くに至り、修士論文ではそのパロディーについて論じました。
その後、さらにマンのエロスの問題を研究した成果が博士論文です。マンというと、知的な冷たさや大作家としての傲慢さが嫌いだという人がいるかもしれませんが、そのような雄弁な怜悧さの表面下に、愚直でひたむきな情念が潜んでおり、それが彼の創造性の支えとなっていることを、実証的に論証しようとした論文です。多少の変更を加えて出版した本はまだ出版社に在庫があります。(『トーマス・マンとクラウス・マン -<倒錯>の文学とナチズム』ナカニシヤ出版、2006年)
近年の十年ばかりは、ずっと取り組んできたトーマス・マンを直接は離れ、彼が最高の芸術家として愛憎交えた執着を示していたワーグナーに目を向け、その関連から古代北欧神話や中世伝説と近代文学の問題一般に興味を持っています(『ワーグナーと恋する聖女たち―中世伝説と現代演出の共演』松籟社、2011年)。


詳しい経歴や研究実績は以下のホームページを参照

  

京都大学教育研究活動データベース

https://kyouindb.iimc.kyoto-u.ac.jp/j/tJ1nV

京都大学大学院人間・環境学研究科 教員紹介

https://www.h.kyoto-u.ac.jp/academic_f/faculty_f/123_okuda_t_0/



研究室教員:奥田敏広著作 トーマス・マンとクラウス・マン<br />
<倒錯>の文学とナチズム(2006年  ナカニシヤ出版),ワーグナーと恋する聖女たち中世伝説と現代演出の共演(2011年  松籟社)<br />

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