京都大学大学院ドイツ文芸表象論奥田研究室最新情報

京都大学ドイツ文芸表象論(奥田)研究室
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第15回・文系研究者の環境~ウェブ編③~(松波烈)

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前回から見ている小一覧だが次に目を向けたいのは「Wörterbuchnetz」であろう。これは前回書いた諸サイトと違って玄関口から入っても特に動きづらくはない。ドイツ語各種辞典をほぼ網羅している。例えば中高ドイツ語など、おなじみのマティアス・レクサーなどもう持ち歩く必要がないことになる。そういう時代になったのである。いま例えばすぐみつかるのでいいから何かしらのスマホの端末でも買う(これも安くなったものだ。例えばどんな格安スマホにも驚異的画素数・高解像度のカメラが当然装備されてあり、「写ルンです」の90年代人から見たら驚異的現象である)。タブレットならばもっと安いものがある。別に何の設定も要らない。そのままで、各種Wifiでこの「Wörterbuchnetz」につながればよい。するとアラふしぎ、図書館巨大書棚何ラック分の100冊は超すであろうレファレンスが、手のひらの上に乗るのである。ドラえもんより遥かにスゴい時代に住んでいることが分かる。こういった電子媒体ネット媒体の今現在の欠点短所をあげつらうことは簡単だがそれが日々昼夜克服されてい(てやがて紙媒体を無用にする水準に達するだろう)るという事実を想ったほうがずっと建設的なこと火を見るよりも明らかである。さて「手のひらの上」だが、「Wörterbuchnetz」には、グリム辞典が載っている!始まったころは工事中だったが現在では「z」まで完備している。あのグリム辞典がCD-ROM!だった事も過去のことにすぎなくなっているのである。もちろん、「Wörterbuchnetz」のようなものが或る日なくなったとき(空虚な空想にすぎないが)には、まず別の類似サイトを探せばいいことだし、或いは、本シリーズのこの記事で書いた方法でPDFを入手しておけばいいことである。19世紀時点の出版ならグリム辞典もGoogle Booksにある。そのPDFを開くための手元物体もタブレット含め日進月歩するばかりだ。

他に、逆引きなど語の1部分から検索できる辞典(OWIDのErweiterte Stichwortsuche in elexiko)、ハイフネーションが分かるページ(ushuaia.pl)、非常に網羅的な辞典(DWDS (Der deutsche Wortschatz von 1600 bis heute.))、文法項目を網羅したサイト(grammis)、文法解説サイト( Wörterbuch der Linguistik und Nachbardisziplinen / Diccionario de Lingüística y ciencias afines)など、有用なサイトが山ほど有る。

ということで、今見ている小一覧上のサイトの数点やその他を紹介したが、他のリンク先も研究上非常に役立つツールである。他にまだBibliotheca Augustanaというとんでもない超有益サイトのリンクも貼ってあるが、このサイトは開いて見ての通り西洋古典を主として12言語(2019年5月28日現在で)の文献をテキスト提供している。我々として用があるのは「Bibliotheca Germanica」だろうがその年代別一覧を見て分かるように古高ドイツ語・古低ドイツ語・中高ドイツ語・中低ドイツ語を主とする凄まじい網羅ぶりである。20~21世紀も網羅しているからまだ相当に工事中なのだが、ゆくゆくは欧米言語テキスト提供サイトとして最大のものになるのかもしれない。

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